日本人の死亡原因の第2位は心疾患です。当科は、虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症など)や弁膜症(心臓弁膜症など)、大動脈疾患(大動脈瘤など)、末梢血管疾患(下肢静脈瘤など)を主に、320列CTなどの高性能診断装置を用いて診断、院内の各診療科や心臓血管センター金沢循環器病院と連携して治療を行っています。
当科は心臓や胸部、腹部大動脈疾患で手術治療の必要な患者さん、末梢動脈疾患などで間欠性跛行(歩行にて下肢に痛みが出て、休憩すると痛みが無くなる)のある患者さん、下肢静脈瘤でだるさや痛み、こむら返り等の症状のある患者さんが対象となります。
心筋梗塞 |
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心臓の筋肉「心筋」は、その表面に張り巡らされている血管「冠動脈」から酸素や栄養が送られています。この冠動脈が動脈硬化等で詰まってしまい、心筋に血液が行き渡らないため、心筋が壊死してしまう病気が「心筋梗塞」です。心筋梗塞を起こした心筋は収縮できなくなり、心臓の機能が低下します。冠動脈の根本近くまで詰まってしまうと心筋の広い範囲が壊死を来し、生命に関わる状態となってしまいます。心筋梗塞となった場合、一刻も早く冠動脈の血流を再開させることが必要になります。 心筋梗塞が起こった場合、胸部に激痛を認め、重篤な場合はショック状態となることもあります。 ![]() |
狭心症 |
冠動脈が狭くなって、心筋に十分な血液が行き渡らない状態を狭心症と言います。心臓に必要な栄養と酸素が乏しくなり、うまく動かなくなります。 このとき「胸が締め付けられる」「冷や汗が出る」といった症状を来します。これを狭心症の発作といいます。完全に詰まっている状態ではないため、血流が増加すれば心筋は元の状態に改善します。 ![]()
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弁の動きが悪くなると、結果として心臓のポンプ機能が悪くなり、体全体に十分な血液を送り出せないようになり、倦怠感や息苦しさなどを認め、足がむくんできたりすることがあります。
また、心臓に必要以上に負荷がかかるため動悸(不整脈)が出てきたり胸痛が出たりします。そのまま放置すると心臓のポンプ機能が失われて突然死となることもあります。
上記のような症状を感じたり、健診などで心雑音を指摘されたことのある方は、早めの精査をお勧めします。
心臓弁膜症 |
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動脈は心臓から全身に血液を送るための血管です。その大動脈が様々な原因で”コブ”ができるように太くなってしまうものを大動脈瘤といいます。正常の太さの2倍近くまで拡大すると破裂の危険性が高まり、破裂してしまうと半数以上の方が突然死してしまいます。破裂しない限り症状はほとんど認めないため、”サイレントキラー”と呼ばれることもあります。大動脈瘤はできた場所により胸部と腹部に分けられます。また、その病態によって真性、解離性に区分けされます。
大動脈瘤 |
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動脈硬化等によって動脈内腔が狭くなったり、あるいは詰まったりして循環障害を起こす病気(閉塞性動脈疾患)です。年齢とともに増えていき、70歳以上の人は15~20%がこの病気にかかっていると言われています。この病気は特に喫煙習慣のある人は糖尿病の方、慢性透析を行っている方に多くみられます。
また、高血圧、高コレステロール血症、肥満、運動不足などもこの病気を悪化させる要因となります。
閉塞性動脈疾患のうち、一番多い下肢動脈閉塞の初期症状は、下肢の冷感を伴う歩行時の筋肉の張り・痛み(ふくらはぎに多い)です。この痛みは休むとすぐに軽減します(間欠性跛行といいます)。
病気が進行すると、歩くことのできる距離がだんだん短くなっていき、安静時でも痛みが起こってくるようになります。放置すると、最終的には潰瘍、壊疽、感染を起こし、救命のために下肢切断を余儀なくされることもあります。
氏名 | 専門分野 | 所属学会 | 認定資格 |
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上山 克史 非常勤 | 心臓血管外科全般 | 日本外科学会 日本胸部外科学会 日本心臓血管外科学会 日本血管外科学会 | 日本外科学会専門医 日本胸部外科学会認定医(心臓・大血管) 日本心臓血管外科専門医 腹部ステントグラフト実施医 下肢静脈瘤レーザー治療指導医 |