診療科・各部門

人工呼吸センター

人工呼吸センターのご案内
人工呼吸治療を受けている全ての患者さんへ

最新の医療設備を揃え、24時間監視体制で患者さんの変化に対応いたします

救急医療の充実や医療の高度化により多くの人命が救われている中で、やむなく人工呼吸治療を受けざる得なくなくなった方が増加しています。そのような方々を治療する為に、当院人工呼吸センターは、この地域では初めて人工呼吸治療に特化した専門施設を開設し、15年目を迎えました。

当センターでは人工呼吸器と人工呼吸器モニター、生体監視モニターを連動させ、必要な配管、配電も全てひとつのユニットにまとめています。異常を知らせる警報はPHSと連動、熟練したスタッフが迅速に対応し、安全確保に努めています。

病室画像
病室
ベット画像
ベット
デイルーム
デイルーム
浴室
浴室

人工呼吸とは

まず思い浮かべるのは、心肺停止に陥った方に行う“口対口”の呼吸でしょう。

人工呼吸とは、自分の呼吸だけでは呼吸の機能が十分に果たせない方に、人工的な手段でその機能を補う方法です。様々な方法がありますが、当院施設では陽圧式の人工呼吸器を基本としています。

人工呼吸
人工呼吸器

対象となる患者さんについて

様々な病気で人工呼吸が必要な方々です。

例えば・・・

高度な脳の機能障害で呼吸が弱くなっている方

肺気腫など慢性の閉塞性呼吸不全の方

呼吸中枢の障害や筋力の低下で肺の換気の障害がある方

頚髄の損傷で、呼吸が十分に行えない方

などです。

また、現在人工呼吸器による治療を受けていて、人工呼吸器からの離脱を試みている方のサポートも行っています。

当センターの特徴





安全を第一に考えております。

最新の人工呼吸器と24時間の生体監視モニターを装備しています。スタッフは専任の医師、看護師、介護福祉士と臨床工学技士で、人工呼吸治療に習熟したスタッフが対応しています。スタッフステーションでの連続監視モニタリングとPHSを使った警報の監視を行っています。

入院環境にも配慮しています。

浴室やデイルームにも人工呼吸器用のガス配管を整えました。人工呼吸をしながらの入浴やデイルームでレクレーションを行ったり、家族と過ごすことも可能です。

コミュニケーションの方法を工夫しています。

人工呼吸中は基本的に発声ができません。当施設では患者さんご自身の残存する機能を使って、パソコン、文字盤、読唇術等で意思疎通をはかっています。

また、患者さんの状態に合わせて特殊なカニューレシステムを用いて発声している方もいます。

入院生活の質の向上に配慮しています。

季節感を感じていただくため、各種イベント、敷地内の散歩などを行っています。

積極的にリハビリを行っています。

リハビリスタッフと協力し体位の調整や呼吸筋のリハビリを行うとともに、排痰補助装置を導入し、排痰の促進を行い、呼吸機能維持に努めています。

総合病院ですので、人工呼吸器以外の治療や診察も継続して行えます。薬剤師、管理栄養士などとも連携し全身の管理に努めています。

その他

当病棟には、特定行為に係る看護師の研修参加を積極的に進めており、その他、呼吸療法認定士、災害支援ナース、糖尿病療養指導士が在籍しています。

病室画像
松本医師(写真右)
音楽会画像
音楽会

また当センターは総合病院内の一部門ですので、人工呼吸以外の治療や診療も継続することができます。

他科との連携を通じて全身的な管理も行えるようになっています。

学会発表

人工呼吸センターで働く介護福祉士のストレスの特徴

発表者:山本政美 共同研究者:亀井亜希、髙松朝男

第40回(2009年度) 日本看護学会学術集会・看護総合(ポスターセッション) 2009年7月18・19日(京都国際会議場)

患者・家族と共に考える看護計画の立案・実施 -対話型看護計画開示ノートを使用して-

発表者:山本政美

第30回 東海北陸看護研究学会 2010年11月15・16日(ウインクあいち)

慢性期の人工呼吸療法患者における間接熱量測定法による必要カロリーの評価

発表者:塗谷栄治

第33回(2011年度) 日本呼吸療法医学会学術総会 2011年6月10・11日(パシフィコ横浜 会議センター)

人工呼吸センター開設から3年、発症から現在までの患者家族の思い -家族へのインタビューから

発表者:北川寛章 共同研究者:江波麻貴、近藤香奈恵

第42回(2011年度) 日本看護学会学術集会・成人Ⅱ 2011年9月17・18日(大阪国際会議場)

人工呼吸センター5年目の現状

発表者:髙松朝男 共同研究者:谷口真、塗谷栄治

第53回 全日本病院学会 2011年10月29・30日(沖縄コンベンションセンター)

人工呼吸下で発生できるBlom®気管切開チューブの有用性と問題点

発表者:塗谷栄治 共同研究者:松本泰作、谷口真

第34回 日本呼吸療法医学会学術総会 2012年7月14・15日(沖縄コンベンションセンター)

人工呼吸センターにおける看護師と介護福祉士との協働

発表者:髙松朝男 共同研究者:山本政美、鈴木喜代美

第54回 全日本病院学会in神奈川 2012年9月21・22日(横浜国際会議場)

Blom®スピーチカニューレ使用時における呼吸設定と加湿方法の工夫

発表者:谷口真 共同研究者:森三郎、津田啓悟、宮村礼二、堀慎平、中山貴志、示野マリ、中山貴太郎、塗谷栄治

第23回 日本臨工学会 2013年5月18・19日(山形)

学会追加

長期人工呼吸器装着中患者へジャクソンリースを用いて肺リクルートメント手技を実施した効果

発表者:田中裕子 共同研究者:重山真理子、加藤あゆみ、荒川佑紀

第41回 日本呼吸療法医学会学術集会 2019年8月3日(大阪国際会議場)

論文発表

塗谷栄治、松本泰作、谷口真:人工呼吸下で発声できる

Blom®気管切開チューブの有用性と問題点

日本呼吸療法医学会誌「人工呼吸」.2013;

30 : 66-9