診療科・各部門

温熱療法・高気圧酸素治療

当院は石川県地域がん診療連携推進病院に認定されており、最新鋭のCT、MRI、PET-CTによる画像診断から、手術、化学療法、定位放射線治療といった患者ひとりひとりに合わせた最適な治療で“がんの早期発見・早期治療”に取り組んでいます。

そしてこの度、新たに「温熱療法装置」「高気圧酸素治療装置」を2022年10月に導入しました。どちらも、がんに対して有効な治療法で、放射線治療や化学療法と併用することで治療効果を高めることができます。当院の様々な画像診断・治療器により、がんに対し様々な治療法を選択できることになります。

がんの温熱療法(ハイパーサーミア)

庄内クリエート工業社製

高周波式ハイパーサーミアシステム『アスクーフ8』

がんの温熱療法(ハイパーサーミア)は高周波電流(ラジオ波)で患部を加温しがん組織のみを壊死・縮小させることで治療します。また、他の治療と併せて治療することで、治療効果を高めることができます。

人間の細胞は42.5℃以上に温度が上がると、急速に死滅します。温熱治療で細胞を加温した際、正常な細胞は血管が拡張して血流が増加するとともに熱を逃がすことができますが、がん細胞は血管の縮小が弱く血流の増加がほとんどないため、熱を逃すことができずに鬱熱(うつねつ)します。この原理によって、正常な細胞にダメージを与えることなく、がん細胞だけが加温され死滅します。

特徴

他の治療と併用ができる

温熱によるがん細胞の破壊だけでなく、外科治療や化学療法、放射線治療などと併用することで、それぞれの治療効果を高めることができます。

治療の適応範囲が広い

治療の適応範囲が広く、眼球・脳以外の部位の治療が可能です。また、病巣の深さに合わせて、浅部から深部まで選択して治療を行うことができます。

身体に優しい治療

ほとんどの場合、副作用はありません。副作用としては低頻度で熱傷、脱水症などが挙げられます。

高気圧酸素治療

川崎エンジニアリング社製

『KHO-Ω』

高気圧酸素治療は大気圧よりも高い気圧の状態で、空気よりも高い濃度の酸素を吸入する治療法です。圧を高くすることで血液内に溶け込む酸素量を増やし、酸素不足の状態にある組織に酸素を届けることができ、創傷治癒を早めたり、虚血性疾患の改善などの治療効果が期待できます。また高い圧力による治療効果を期待する疾患もあり、適応となる疾患は多岐にわたります。

効果

悪性腫瘍に対して行われる 放射線治療の効果を高める効果

体内酸素量の増加による体内の循環障害・低酸素状態の改善効果

体内にできた気体の圧縮・溶解による 組織の浮腫を軽減させる効果

酸素の抗菌作用による 細菌の発育を阻害する効果

  • 温熱療法・高気圧酸素治療 お問い合わせ先

    地域医療連携室 076-252-2101(代)