人工呼吸センターのご案内
人工呼吸治療を受けている全ての患者さんへ
最新の医療設備を揃え、24時間監視体制で患者さんの変化に対応いたします
救急医療の充実や医療の高度化により、多くの人命が救われている中で、やむなく人工呼吸治療を受けざるを得なくなった方も増加しています。そのような方々を治療するには、高度な機器と習熟したスタッフが必要です。当院人工呼吸センターは、この地域では初めての、人工呼吸治療に特化した病床数32床の専門施設です。
当センターでは人工呼吸器とそのモニター、それに生体監視モニターを連動させ、必要な配管、配電も全てひとつのユニットにまとめています。また、警報もPHSと連動させて、安全確保に努めています。
人工呼吸とは
まず思い浮かべるのは、心肺停止に陥った方に行う“口 対 口”の人工呼吸でしょう。
人工呼吸とは、自分の呼吸だけでは呼吸の機能が十分果たせない方に、人工的な手段でその機能を補う方法です。一般的には陽圧式の人工呼吸器というものを使います。
対象となる患者さんについて
様々な病気で人工呼吸が必要な方々です。例えば・・・
- 高度な脳の機能障害で呼吸が弱くなっている方
- 肺気腫など慢性の閉塞性呼吸不全の方
- 呼吸中枢の障害や筋力の低下で肺の換気の障害のある方
- 頚髄の損傷で、呼吸が充分行えない方
などです。
また、現在人工呼吸器による治療を受けていて、人工呼吸器からの離脱を試みている方のサポートも行っています。
当センターの特徴
- 安全を第一に考えております。
そのために最新の人工呼吸器と24時間の生体監視モニターを装備しています。スタッフは専任の医師、看護師、介護福祉士と臨床工学技士で、人工呼吸治療に習熟したスタッフをそろえております。スタッフステーションでの連続監視ももちろん行っています。
- 入院環境にも配慮しています。
浴室にも、デイルームにも人工呼吸器用のガス配管を整えました。人工呼吸をしながらの入浴や、デイルームで家族と過ごすことも可能です。リハビリは専門の理学療法士が協力して行います。
- コミュニケーションの方法を工夫しています。
人工呼吸中は基本的には発声ができません。当施設では、患者さんご自身の残った機能を使って、パソコン、文字盤等による意志疎通をはかっています。
また、特殊なチューブを用いて発声することも試みています。
- 入院生活の質の向上に配慮しています。
季節感を感じていただくために、各種イベント、敷地内の散歩などを行っています。
花見
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クリスマス
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また当センターは総合病院内の一部門ですので、人工呼吸以外の治療や診療も継続することができます。
他科との連携を通じて全身的な管理も行えるようになっています。
学会発表
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人工呼吸センターで働く介護福祉士のストレスの特徴
発表者:山本政美 共同研究者:亀井亜希、髙松朝男
第40回(2009年度) 日本看護学会学術集会・看護総合(ポスターセッション) 2009年7月18・19日(京都国際会議場)
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患者・家族と共に考える看護計画の立案・実施 -対話型看護計画開示ノートを使用して-
発表者:山本政美
第30回 東海北陸看護研究学会 2010年11月15・16日(ウインクあいち)
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慢性期の人工呼吸療法患者における間接熱量測定法による必要カロリーの評価
発表者:塗谷栄治
第33回(2011年度) 日本呼吸療法医学会学術総会 2011年6月10・11日(パシフィコ横浜 会議センター)
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人工呼吸センター開設から3年、発症から現在までの患者家族の思い -家族へのインタビューから-
発表者:北川寛章 共同研究者:江波麻貴、近藤香奈恵
第42回(2011年度) 日本看護学会学術集会・成人Ⅱ 2011年9月17・18日(大阪国際会議場)
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人工呼吸センター5年目の現状
発表者:髙松朝男 共同研究者:谷口真、塗谷栄治
第53回 全日本病院学会 2011年10月29・30日(沖縄コンベンションセンター)
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人工呼吸下で発生できるBlom®気管切開チューブの有用性と問題点
発表者:塗谷栄治 共同研究者:松本泰作、谷口真
第34回 日本呼吸療法医学会学術総会 2012年7月14・15日(沖縄コンベンションセンター)
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人工呼吸センターにおける看護師と介護福祉士との協働
発表者:髙松朝男 共同研究者:山本政美、鈴木喜代美
第54回 全日本病院学会in神奈川 2012年9月21・22日(横浜国際会議場)
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Blom®スピーチカニューレ使用時における呼吸設定と加湿方法の工夫
発表者:谷口真 共同研究者:森三郎、津田啓悟、宮村礼二、堀慎平、中山貴志、示野マリ、中山貴太郎、塗谷栄治
第23回 日本臨工学会 2013年5月18・19日(山形)
論文発表
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塗谷栄治、松本泰作、谷口真:人工呼吸下で発声できる
Blom®気管切開チューブの有用性と問題点
日本呼吸療法医学会誌「人工呼吸」.2013;
30 : 66-9