病院指標

病院情報公開について

病院情報の公表

令和6年6月1日から令和7年5月31日までに退院した患者さんの疾患、手術、病態などについての情報です。各指標は厚生労働省から指定された項目です。
急性期病棟のみの情報ではなく、一度でも急性期病棟(DPC対象病棟)に入院したことのある患者さん(※一部除外あり下記参照)が対象で、平均在院日数には急性期以外の病棟(地域包括、回復期リハビリ、療養病棟)の入院期間も含まれています。
全国平均は急性期のみの病院が多いため、急性期以外の病棟を有する当院では、長期療養を要する疾患は全国平均より長めとなっています。詳しくは、各診療科のコメントをご参照ください。

1.集計の条件と方法

  1. 対象患者

    当院を令和6年6月1日から令和7年5月31日までに急性期病棟に1回以上入院した退院患者

    対象外患者

    ・自費診療・労災・交通事故等の医療保険以外の患者

    ・一入院期間内に急性期病棟での入院が無い患者

    ・入院後24時間以内に死亡した患者

  2. 患者数

    総数4,775人

    ※各指標の患者数が10未満(0~9)の数値の場合は、-(ハイフン)を記入としてあります。(厚生労働省指定)

  3. 患者カウントの方法

    集計期間内に同一患者が複数回入退院した場合、退院回数分患者数として数えます。
    (例)浅野花子さん、6/1入院、6/3退院、10/1再度入院、10/31退院 この場合、患者数は『2人』となります。

  4. 平均在院日数

    急性期以外の病棟も含む入院日から退院日までの日数(入院日数の平均)

    ※地域包括、回復期リハビリ病棟、療養病棟に入院していた期間も入院日数に含みます。
    (例)急性期6/1~6/30→30日 回復期7/1~7/31日→31日 在院日数は30日+31日=61日となります。よって、回復に時間を要する疾患「脳梗塞」、「大腿骨頸部骨折」「誤嚥性肺炎」「慢性腎不全」などは急性期だけの病院および全国平均と比較すると当院の入院期間は長くなっています。

  5. 各指標の転院率

    転院:退院先が「他の病院・診療所への転院(入院)」となる場合です。

    転院率分母

    1. 診断群分類(DPC)別患者数等:各DPCコード別の全退院患者数

    2. 診療科別主要手術別患者数等:各手術別の全退院患者数

    3. 脳梗塞のICD10別患者数等:各ICD10別の全退院患者数

    4. その他(DIC、敗血症、術後合併症等の発生率):全退院患者数

    当院では、他の病院からの転院を受入れており、急性期治療後に元の病院へ戻られるため、誤嚥性肺炎、股関節・大腿近位の骨折、脳腫瘍の患者さんの転院率が高くなっています。

2.集計項目

  1. 年齢階級別退院患者数

  2. 診断群分類(DPC)別患者数等(診療科別患者上位5位まで)

    ※診断群分類(DPC)は、患者の傷病名と行われた医療行為等の組み合わせにより14桁で構成されています。

  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別ならびに再発患者数

    ※定義等については患者数下のコメント欄をご参照下さい。

  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等

    ※定義等については患者数下のコメント欄をご参照下さい。

  5. 脳梗塞のICD10別患者数

  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別症例数上位5位まで)

  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

    ※定義等については患者数下のコメントをご参照下さい。

  8. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率

  9. 血液培養2セット実施率

  10. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

  11. 転倒・転落発生率

  12. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率

  13. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率

  14. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率

  15. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合

  16. 身体的拘束の実施率

令和6年度 浅ノ川総合病院 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
  4. 転倒・転落発生率
  5. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
  8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
  9. 身体的拘束の実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 22 75 107 150 205 401 616 1378 1232 589
令和6年6月1日から令和7年5月31日までの退院患者数は4,775人(男性:2,248人、女性:2,527人)でした。うち60歳代以上(一般病棟入院時の年齢)の患者さんが3,815人(男性:1,762人、女性:2,053人)と全体の約80%を占めています。また、80歳以上が38.1%と比較的ご高齢の患者さんが多くなっています。10歳~50歳代の患者さんは19.6%で前年と比べ減少し、60歳~90歳代の患者さんが増えています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 130 34.58 20.78 16.92 87.84
0400800x99x0xx 肺炎等(市中肺炎以外) 手術なし 手術・処置等2 なし 79 27.56 18.16 6.33 86.14
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 78 21.79 13.66 6.41 83.62
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 76 10.36 8.88 1.32 76.64
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 54 23.3 16.4 1.85 83.5
介護施設から紹介の患者さんが多く、加齢と共に正しく飲み込む(嚥下)機能が低下し、唾液や食べ物の一部が誤って気道に入ることで発症する誤嚥性肺炎や細菌などの感染による肺炎の患者さんが多くなっています。次に腎盂(腎臓の中の尿が通る部分)に細菌が感染することで起きる急性腎盂腎炎や尿路感染症の患者さんが多くなっています。当院は、医療と介護の連携を推進し地域の高齢者施設と連携協力を結んでいるため、平均年齢の多くが80歳代後半となっています。また、急性期病棟での治療後、地域包括ケア病棟に転棟しリハビリを継続しながら退院までのサポートを行っているため平均在院日数が全国平均より長くなっています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010230xx99x4xx てんかん 手術なし 手術・処置等2 4あり 33 3.3 5.9 0 10.91
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 なし - - 6.11 - -
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 6.89 - -
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2 なし - - 11.83 - -
特徴として、てんかん治療を多く行っており、ビデオ脳波モニタリング、高分解能撮影可能な3T(テスラ)-MRI検査、PETやSPECTなどの核医学検査を行うなど正確な診断に努めています。北陸3県唯一のてんかん診療拠点機関として、てんかんの専門的診断から外科的治療まで行っています。てんかんの確定診断のために、他の医療機関からの紹介患者さんも積極的に受け入れており、2泊3日のビデオ脳波モニタリング入院が多くなっています。また、現在、県内外5病院の小児科の遠隔脳波判読を行い、地域のてんかん診療を担っています。
※患者数が10件に満たない場合は「‐」(ハイフン)で表示してあります。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 64 5.31 4.54 0 69.53
060335xx0200xx 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 21 7.76 7.05 4.76 65.86
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 20 6.4 5.99 0 62.15
060035xx99x6xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 6あり 16 8.94 4.64 0 73
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 16 9.38 9.08 0 73.06
鼠径ヘルニアや胆石による胆嚢炎の患者さんが多くなっています。手術は、開腹手術に比べて体への負担が少ない腹腔鏡下で多く行われています。がん治療では結腸、直腸の化学療法目的の入院や切除手術を多く行っています。術後疼痛などの有害事象で退院後の生活の質が低下しないよう十分配慮し治療を行っており、平均在院日数が全国平均に比べて長くなっています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 103 53.62 25.29 7.77 83.54
160690xx02xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 経皮的椎体形成術 52 32.62 19.46 1.92 80.48
070370xx01xxxx 骨粗鬆症 経皮的椎体形成術 31 30.16 19.51 0 81.71
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 28 47.36 19.16 3.57 83.25
160760xx01xxxx 前腕の骨折 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨等 28 8.11 5.95 0 64.93
全体的に高齢化による骨粗鬆症に伴う骨折が増加しています。高齢者に多い股関節、大腿近位の骨折が最も多く、次に胸椎、腰椎の脊椎骨折が多くなっています。脊椎骨折では、保存的治療の他、経皮的椎体形成術(BKP)を行っており、高い治療効果が期待できます。患者さんの多くは急性期病棟での手術治療のあと回復期病棟(回復期リハビリ病棟、地域包括ケア病棟)へ転棟しリハビリを継続するため、平均在院日数が全国平均より長くなっています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2 なし - - 2.74 - -
160200xx030xxx 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 鼻骨骨折整復固定術等 手術・処置等1 なし - - 3.31 - -
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1 なし - - 3.77 - -
020320xx97xxxx 眼瞼、涙器、眼窩の疾患 手術あり - - 3.08 - -
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 手術あり 手術・処置等1 なし - - 4.65 - -
眼瞼下垂や外傷による鼻骨骨折などの患者さんへ手術治療を行っています。
※患者数が10件に満たない場合は「‐」(ハイフン)で表示してあります。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010010xx9906xx 脳腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 6あり 199 3.86 4.02 9.55 68.99
010060xx99x40x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 50 35.32 16.89 10 73.98
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 40 16.33 9.83 7.5 76.8
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 27 4.63 7.99 3.7 64.96
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 23 37.17 18.68 21.74 68.09
脳腫瘍への放射線外科治療(ガンマナイフやリニアック)を多く行っています。ガンマナイフやリニアックは開頭手術に比べ体への負担が少なく早期の退院が可能となります。次に、脳梗塞の急性期治療が多くなっています。今までは70代が多かったが40代50代の患者も増えています。救急搬送又は違和感を認めて自ら受診する患者も増加してきており、早期に治療を開始しています。救急搬送について、近隣だけではなく、遠方からも受け入れており患者が増加しています。急性期治療後、回復期リハビリ病棟に転棟しリハビリを継続するため平均在院日数が全国平均より長くなっています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120090xx97xxxx 生殖器脱出症 手術あり 12 6.58 7.74 0 75
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 10 6.2 5.88 0 40.5
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 10 5.9 5.97 0 45.8
12002xxx02xxxx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 - - 2.92 - -
120070xx01xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 開腹によるもの等 - - 9.74 - -
子宮脱とは、子宮を支える骨盤底筋群や靱帯が弱まり臓器をささえきれなくなることで生じます。高齢化女性の増加とともに多くなっています。子宮や卵巣の良性腫瘍、子宮頸部の悪性腫瘍の手術の患者さんが多くなっています。
※患者数が10件に満たない場合は「‐」(ハイフン)で表示してあります。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 290 2.41 2.49 0 76.76
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 両眼 59 2.41 4.29 0 62.42
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 46 5.67 5.47 0 68.02
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり 片眼 27 6.85 7.53 0 60.33
020210xx01x0xx 網膜血管閉塞症 増殖性硝子体網膜症手術 手術・処置等2 なし 14 4.64 7.87 0 70.36
白内障は70歳以上では多くの人が発症すると言われています。白内障の手術による入院が最も多く、次に、網膜剥離、黄斑症、網膜症となっています。他院から手術が必要な患者さんの紹介を積極的に受け入れています。いずれも平均在院日数が短く早期の退院が可能です。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 35 4.51 4.67 0 64.2
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 26 5.88 5.63 0 40.88
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 15 4.67 5.84 0 56.2
100020xx010xxx 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術 切除(頸部外側区域郭清を伴わないもの)等 手術・処置等1 なし 13 6.77 7.9 0 46.77
100130xx97x0xx 甲状腺の良性結節 手術あり 手術・処置等2 なし 10 6.6 7.05 0 51.5
めまいを主症状とした前庭機能障害が多くなっています。当院では甲状腺内視鏡サージセンターが設置され、内視鏡下甲状腺部分切除等を施行し、他医療機関からの紹介患者が増えています。また、甲状腺の疾患では50代女性の多くなっています。慢性副鼻腔炎の手術や突発性難聴のステロイド治療も行っています。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060xx99x40x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 17 37 16.89 0 74.71
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 6.89 - -
010230xx99x4xx てんかん 手術なし 手術・処置等2 4あり - - 5.9 - -
010060xx99x20x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし - - 16.94 - -
010060xx99x00x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 5.92 - -
脳梗塞の急性期治療も多く行っています。当院はてんかんの専門的診断から外科的治療まで実施している北陸3県唯一のてんかん診療拠点機関であり、小児科、脳神経外科と連携しながらてんかんの確定診断のためのビデオ脳波モニタリング入院やてんかん発作時の緊急入院及び紹介患者さんを積極的に受け入れています。急性期治療後、回復期リハビリ病棟に転棟しリハビリを継続するため平均在院日数が全国平均より長くなっています。
※患者数が10件に満たない場合は「‐」(ハイフン)で表示してあります。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 - - 9.33 - -
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1 なし - - 12.98 - -
080050xxxxxxxx 湿疹、皮膚炎群 - - 8.84 - -
080100xxxx0x0x 薬疹、中毒疹 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし - - 10.13 - -
050170xx99001x 閉塞性動脈疾患 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 あり - - 19.45 - -
帯状疱疹の患者さんが多く、次に蜂窩織炎などの膿皮症での入院が多くなっています。
※患者数が10件に満たない場合は「‐」(ハイフン)で表示してあります。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 39 2 2.45 0 70.97
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病 なし 18 4.28 5.16 0 65.17
110070xx03x20x 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし 15 5.73 6.63 0 76.13
110080xx03xxxx 前立腺の悪性腫瘍 経皮的放射線治療用金属マーカー留置術 14 4 2.59 0 71.64
11012xxx03xxxx 上部尿路疾患 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) - - 2.4 - -
男性罹患率1位の前立腺癌の確定診断のための前立腺生検の患者さんが多く、確定診断後の放射線外科治療を選択する患者が増加しています。次の尿管結石は罹患率が増加しています。食生活・生活様式の欧米化や高齢化が原因と考えます。当院では腎・尿管結石の手術や膀胱癌の手術も行われています。
※患者数が10件に満たない場合は「‐」(ハイフン)で表示してあります。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 27 62.85 20.78 18.52 86.11
0400800x99x0xx 肺炎等(市中肺炎以外) 手術なし 手術・処置等2 なし 23 23.65 18.16 0 84.65
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 19 10.95 11.35 5.26 76.16
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 16 12.5 13.66 6.25 73.88
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2 なし 12 28.5 20.06 8.33 84.08
当院は、人工透析を入院、外来合わせ約170人の患者さんに行っています。慢性腎不全の急性増悪や内科的疾患の誤嚥性肺炎や細菌性肺炎、敗血症の患者さんが多くなっています。急性期治療後、地域包括病棟に転棟しリハビリを継続しながら退院までのサポートを行っているため平均在院日数が全国平均より長くなっています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 - - - - - 12 1 8
大腸癌 - 21 14 25 - 50 1 8
乳癌 13 10 18 - - - 1 6,8
肺癌 - - - - - 12 1 8
肝癌 - - - - - 13 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
定義1:Stage(ステージ)とは、がんがどれくらい進行しているのかという進行度合を意味しています。ステージⅣが最も進行していることになります。
定義2:「初発」とは、当院において、がんの診断、初回治療を実施した場合を指します。
定義3:「再発」は当院・他院にかかわらず、初めての治療が完了した後に当院にて診療した場合や、がん治療後の再発や転移した場合を指します。
当院では大腸癌の患者さんが最も多く、次に乳癌の患者さんが多くなっています。がん治療には、ステージに応じて、手術や抗がん剤治療、放射線外科治療を行っています。他院から手術後など治療後の経過観察目的の紹介患者さんも受入れているため、再発が多くなっています。一般的にステージが低いほど予後が良好といわれています。早期発見のためPET-CT検診なども行っています。
※患者数が10件に満たない場合は「‐」(ハイフン)で表示してあります。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 18 9.72 44.44
中等症 62 18.05 76.5
重症 14 14 80
超重症 - - -
不明 - - -
定義1:対象年齢は20歳以上(成人)です。
定義2:市中肺炎とは、病院や施設外で日常生活をしていた人に発症した肺炎のことで、院内や施設内での発症は含みません。
定義3:重症度は入院時の肺炎の重症度分類(A-DROP:年齢(A)、脱水(D)、血液中の酸素濃度(R)、意識障害(O)、血圧(P))により分類したものです。
当院では中等症の肺炎で入院される患者さんが多く、特に高齢者や免疫力が低下している方は重症化しやすく在院日数も長くなるため、早期に診断され、適切な治療が重要となります。軽症で入院される患者さんは、気管支肺炎やマイコプラズマ肺炎が多くみられています。若い方が多く、平均在院日数も10日以内と短期間の入院となっています。
※患者数が10件に満たない場合は「‐」(ハイフン)で表示してあります。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 149 86.63 77.48 10.71
その他 19 240.95 77.32 1.19
定義1:「3日以内」とは、発症した日から受診されるまでの日数です。
定義2:転院率は、転院患者数/各ICD10(疾患)ごとの患者数です。
定義3:転院は、退院先が他の病院・診療所への転院(入院)となった場合をいいます。
脳梗塞の入院では、発症してから3日以内と急性期の患者さんが多く、急性期治療の早期の段階からリハビリを行っています。当院は回復期リハビリ病棟を有しており、急性期治療の後、回復期リハビリ病棟へ転棟しリハビリ中心の治療を継続しています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 49 2.88 10.39 4.08 80.92
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 44 30.68 53.14 70.45 87.18
K7211 短3)内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 24 2.96 2.54 0 68.5
K699-2 体外衝撃波膵石破砕術 20 1 11.55 0 67.15
K6872 内視鏡的乳頭切開術(胆道砕石術を伴う) 18 4.67 5.17 0 76.22
胆石や胆管癌など胆道の疾患に対し内視鏡的胆道ステント留置術や、大腸ポリープの内視鏡的切除が多く行われています。また、高齢者に多い経口摂食が困難な患者さんに栄養管理のため中心静脈注射用植込型カテーテル設置術が行われています。栄養管理方法が決定したのち、慢性期医療を提供する療養病棟に転棟や転院することが多いため平均術後日数が長くなり、また転院率も高くなっています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 短3)腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 63 1.37 2.95 0 69.16
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 49 1.86 6.69 2.04 63.82
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 13 0.38 4.08 0 49.77
K7211 短3)内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 13 0 1 0 74.77
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 12 24.25 28.67 33.33 83.08
鼠径ヘルニア、胆石症などの胆のう疾患、虫垂炎の切除など腹腔鏡下での手術を多く行っています。腹腔鏡下胆嚢摘出術は前年より増加しています。腹腔鏡による手術は開腹手術に比べ手術による傷が小さく体への負担が少ないため、早期に離床・退院ができるという利点があります。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 89 3.29 44.18 7.87 81.18
K142-4 経皮的椎体形成術 86 5.65 27.78 5.81 81.42
K0811 人工骨頭挿入術(股) 62 5.94 60.32 4.84 82.9
K0462 骨折観血的手術(前腕) 58 2.83 15.12 1.72 64.31
K0821 人工関節置換術(膝) 22 3.55 37.73 0 74.23
高齢者が受傷することが多い大腿近位部骨折や骨粗鬆症による胸椎、腰椎の圧迫骨折などの手術が多くなっています。手術後は急性期での治療の後、地域包括ケア病棟や回復期リハ病棟に転棟し、リハビリを中心とした治療を行っている患者さんが多いため術後日数が長くなっています。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K333 短3)鼻骨骨折整復固定術 - - - - -
K2191 短3)眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) - - - - -
K2193 短3)眼瞼下垂症手術(その他) - - - - -
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6cm未満) - - - - -
K0061 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm未満) - - - - -
顔面打撲による鼻骨骨折の整復固定術や眼瞼下垂症手術、皮膚や皮下腫瘍摘出術が行われています。
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脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 25 7.76 44.92 12 80.12
K1781 脳血管内手術(1箇所) 11 3.73 45.27 9.09 65.18
K181-5 迷走神経刺激装置交換術 10 0.9 1.2 1.2 34.2
K1642 頭蓋内血腫除去術(開頭)(硬膜下) - - - - -
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - -
慢性硬膜下血腫、脳腫瘍に対する手術が多く行われています。ガンマナイフなどの放射線外科治療で対応が難しい脳腫瘍については、開頭手術を行っています。また難治性てんかんに対する補助療法のひとつで迷走神経に電気刺激を与えてんかん発作を減少させる迷走神経刺激装置植込術を行っています。
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産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 11 0.91 3.82 0 44.82
K877 子宮全摘術 - - - - -
K8654 子宮脱手術(腟壁形成手術及び子宮全摘術)(腟式、腹式) - - - - -
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 - - - - -
K867 短3)子宮頸部(腟部)切除術 - - - - -
卵巣腫瘍などの子宮附属器腫瘍に対して、腹腔鏡下での手術を多く行っています。また、子宮筋腫などの子宮の良性疾患に対して、開腹や腹腔鏡下での子宮全摘術や子宮手術用の内視鏡での切除術も行われています。
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眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 短3)水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 332 0.38 1 0 74.48
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 60 0.62 3.73 0 68.5
K281 増殖性硝子体網膜症手術 42 0.5 4.4 0 65.05
K2821イ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(縫着レンズ挿入) 16 0.81 1.25 0 70.38
K2423 短3)斜視手術(前転法と後転法) 13 0.85 1 0 43.15
白内障に対する眼内レンズ挿入術が最も多く、次に、硝子体手術、網膜症手術となっています。他院からの手術目的の紹介患者さんを多く受け入れています。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 13 1 2.46 0 58.31
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 11 1 5.64 0 25.82
K463-21 内視鏡下甲状腺悪性腫瘍手術(切除) - - - - -
K331 鼻腔粘膜焼灼術 - - - - -
K347 鼻中隔矯正術 - - - - -
甲状腺内視鏡サージセンターが設置され内視鏡下甲状腺悪性腫瘍手術が行われています。慢性副鼻腔炎に内視鏡下鼻・副鼻腔手術を行っています。また、扁桃炎による高熱や咽頭痛を繰り返す患者さんに対する口蓋扁桃手術を多く行っています。
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泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 19 1.58 4.95 5.26 75.89
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 18 1 2.28 0 65.17
K007-2 短3)経皮的放射線治療用金属マーカー留置術 14 1 2 0 71.64
K841-7 経尿道的前立腺水蒸気治療 10 1 6.7 0 75.7
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 - - - - -
膀胱癌に対する経尿道的膀胱悪性腫瘍手術が最も多く、次に腎臓や尿管の結石に対し経尿道的尿路結石除去術が多く行われています。また、前立腺肥大に対し経尿道的前立腺水蒸気治療が行われています。水蒸気を用いる治療法で「短時間」「体内に異物が残らない」など開腹手術に比べ体への負担が少ないなどの特徴があり早期離床、退院が可能です。クリティカルパス使用によって、標準的・効率的な治療が行われています。
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腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 14 69.36 110 42.86 83.71
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) - - - - -
K616-41 短3)経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) - - - - -
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
末期腎不全の患者が増加し、経口摂取不良のため中心静脈注射用植込型カテーテル設置を選択されます。慢性腎不全の患者さんに対し血液透析に必要な内シャント造設術を行っています。また、造設した内シャントが狭窄や血栓によりうまく血液が流れなくなった場合に、経皮的シャント拡張術・血栓除去術を行っています。
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その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 17 0.36
180010 敗血症 同一 26 0.56
異なる 24 0.51
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 21 0.45
異なる - -
医療の質の改善に資するため少しでも改善すべき傷病として、上記4傷病の発生率を算出しています。医療資源を最も投入した傷病名と入院のきっかけとなった傷病名が同一か異なるかで患者数の集計を行いました。播種性血管内凝固症候群(DIC)や敗血症は、がんや炎症性疾患、血液疾患などの重症疾患が原因となって起こる全身性の重篤な病態です。治療は症状や重症度に応じて適切な治療方法を組み合わせて行います。手術・処置等の合併症としては、透析患者さんのシャント閉塞、手術後の出血や感染症、カテーテル感染症などがありました。手術や処置を行う際に起こりうる合併症は、完全になくすことはできませんが、事前に患者さんにはリスクについて十分な説明を行い、また合併症が起こった際には、最小限にとどめるため迅速に適切な対応をしています。医療の質の改善のため少しでも低減すべきすべきとして示しています。
※症例数が10件に満たない場合は「‐」(ハイフン)で表示してあります。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
541 511 94.45
肺血栓塞栓症は、深部静脈で形成された血栓が血流に乗って肺動脈を閉塞し、急性・慢性の肺循環障害を招く病態です。一般的にはエコノミー症候群として知られていますが、特に手術後に多く発症します。その症状は重篤かつ致命的となりうる病態でもあります。肺血栓塞栓症予防のガイドラインでは、発症リスクレベル「小」には早期離床や積極的な運動、「中」以上には、下肢への弾性ストッキングの装着や間欠的空気圧装置を用いるなどの医学的管理を行うことを推奨しています。当院ではリスクレベル「中」以上の患者さんであって、早期離床が可能な患者さんなどを除く94%強の患者さんに、肺血栓塞栓症の予防対策を行っています。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
1090 768 70.46
当院では、昨年度は約83%が2セット実施でした。今年度は全国的な血液培養ボトルの供給制限の影響を受け、一時的に約70%となりましたが、現在は安定して供給され、迫切な検査体制を維持しています。抗菌薬を使用する際には、投与開始前に血液培養検査を行うことが望ましく、また偽陽性による過剰治療を防ぐため、血液培養は2セット以上の実施が推奨されています。当院では、今後もこの取り組みを推進し、より安全で適切な医療の提供に努めてまいります。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
466 352 75.54
近年、不適切な抗菌薬の使用により、薬剤耐性菌の発生や蔓廷が問題となっています。抗菌薬の適工使用のためには、正確な微生物学的診断が必要です。そのため、抗菌薬使用前に感染症の原因菌を特定するため、細菌培養を実施することが推奨されています。当院での感染症治療には、細菌培養を実施しにくい腹腔内感染症(胆のう。胆管炎、腹膜炎など)が含まれます。ただし、内視鏡的処置や手術が実施された際には、必要に応じて細菌培養を実施しています。
転倒・転落発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
158512 663 4.18
転倒・転落は、入院期間中に起こりやすい事故のひとつです。当院では、全入院患者に対して、転倒転落リスク評価を行い看護師やリハビリセラピストと協力して患者一人一人に適した入院環境を整えています。環境整備やスタッフの見守りを行い、発生率の低減に努めています。
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
158512 29 0.18
転倒・転落の中には、骨折など治療の必要がある重大なもの(インシデント影響度分類レベル3b)も含まれます。当院ではこのような事故を防ぐため、患者のリスクに応じた環境整備や見守りを徹底し、重大なケガを未然に防ぐように努めています。
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率ファイルをダウンロード
全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
910 910 100
抗菌薬は、手術部位感染を予防するために使用されます。最も効果的な投与のタイミングは、手術開始前の1時間前から直前です。これにより、抗菌薬の血中濃度が手術中にピークに達し、感染リスクを抑えることができます。当院では、全身麻酔手術における手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬の投与率は100%です。
d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
75811 43 0.06
褥瘡(床ずれ)は、長時間同じ姿勢で寝ていることにより、皮膚やその下の組織が圧迫されて傷つき、ただれや潰瘍が出来てしまう状態です。褥瘡は、皮膚の損傷の深さによって段階的に分類されます。d2以上の褥瘡発生率とは、皮膚が浅い赤みを超えて、より深い褥瘡が新たに出来た割合を示す指標です。
・d1:赤みがある程度の状態(皮膚表面のみ)
・d2以上:皮膚の内側(真皮)まで傷ついた状態からそれより深い損傷まで
当院では、入院時より褥瘡リスクアセスメントを実施し、早期からの予防的ケアに取り組んでいます。全病床に褥瘡予防用のマットレスを導入しており、体位変換・体圧分散寝具の活用、スキンケアの徹底、栄養状態の評価を行い、多職種で情報共有しながら、他院で発生した褥瘡も含め、発生した要因を考え、再発予防と悪化がないように検討し適切なケアを実施しています。
65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合ファイルをダウンロード
65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
3314 2043 61.65
入院に際して患者さんの栄養管理の重要性は近年重要視されています。当院では入院早期から栄養スクリーニングとアセスメントを行う事で低栄養のリスクを早急に把握し、食事内容や形態、栄養補給法など多職種で支援を行っています。65歳以上の患者さんでは高齢者に特化した栄養スクリーニングであるMNA-SFを使用しアセスメントを行っています。ただし人間ドック(1泊2日)、短期滞在(1泊2日又は2泊3日)手術や検査等で介入の必要性が低い場合は未実施となっています。
身体的拘束の実施率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
79560 6154 7.74
当院では、患者様の尊厳と安全を守るため、身体的拘束の最小化に取り組んでいます。身体的拘束とは、チューブやドレーンの自己抜去防止、転倒・自傷の予防、処置部位の保護などを目的に、やむを得ず行動を制限する対応です。当院では、身体的拘束を減らすための指針・マニュアルを整備し、今年度からは「身体的拘束最小化チーム」を発足。医師・看護師・リハビリスタッフ・介護職などが連携し、身体拘束率8%以下を目標に、代替手段の検討や環境整備を進めています。今後も、患者様が安心して療養できる環境づくりに努めてまいります。
更新履歴
2025.09.30
公開
2025.10.22
更新