(急性期一般病棟)東館6階 看護師 M.Kさん(配属3年目)
急性期病棟の東館6階に入職し3年が経ちました。私が所属する病棟は脳神経外科・脳神経内科・耳鼻科・眼科・小児科の患者さんが入院される混合病棟です。当病棟の大きな特徴として、北信越で第一号に導入したガンマナイフや日本第一号に導入したノバリスによる定位放射線治療を受ける患者さんが、県内だけでなく県外からも多く入院されています。また、北陸唯一のてんかんセンターとして、てんかんの治療・検査を行う患者さんも多く入院しています。
当病棟では転移性脳腫瘍に対しガンマナイフ治療を受ける患者さんが多く、退院後はすぐに元の生活に戻ることができます。しかし、転移性脳腫瘍は状態変化が起こりやすく、原発巣の状況や全身の状態を十分に理解する必要があり、脳腫瘍によって引き起こされる症状が生活に対してどのような影響を及ぼすのかを考え看護することが大切であると気づきました。それから私は、患者さんが退院後も安心して過ごすことができるよう、入院初期から脳腫瘍患者の状態観察や具体的な看護のほか、専門性の持ったチームで関わり、病気に関する新しい情報や知識を取り入れ日々の看護の質向上に取り組んでいます。
8:30 申し送り
9:00 環境整備、点滴準備
9:10 ショートカンファレンス、退院支援カンファレンス
10:00 検温、清潔ケア、体位変換、処置、手術前処置、検査へ送り出し
11:00 配薬準備、経管栄養準備
11:30 経管栄養実施、血糖測定
12:00 食事準備
12:20 配膳、食事介助、口腔ケア介助
12:30 治療、検査へ送り出し(ガンマナイフ治療患者さん)、手術へ送り出し
13:00 排泄介助、体位変換、リハビリカンファレンス(週1回)
13:30 検温、清潔ケア
15:00 排泄介助、体位変換
16:00 重症患者検温
16:30 申し送り
中学生の時、お見舞いに行った病院に看護師さんが優しく、キラキラとした表情で働く姿に憧れをもったことがきっかけです。
患者さんに「あなたのおかげで入院生活が安心して送れました、ありがとう」と言われた時です。また、機能障害などの後遺症が残る方であっても患者さんやご家族の期待に添える退院支援が行えた時です。
脳腫瘍再発にて終末期となった患者さんを受け持ったときのことです。まだ小さいお子さんもいらっしゃる方でした。徐々に状態が悪化し終末期となった時は、新型コロナウイルス感染症が流行し面会を禁止している状況でした。
家族は県外で暮らしており、日々の様子を見たいとの希望がありました。私は、家族ケアのひとつとして1日1回はビデオを撮りご家族へ送るかテレビ電話ができるように調整をしました。このケアを行った時、患者さんの意識レベルは低下している状態でした。しかし、奥さんやお子さんの声が聞こえた時は反応があり、手を動かそうとする様子が見え、患者さん自身のケアにも繋がっているのだと気づきました。
唯一、短時間の面会が許された時、奥さんと話をする機会がありました。その時、奥さんから地元へ患者さんを連れて帰りたいという思いがあることを知りました。私は主治医や病棟スタッフ、MSWなどの他職種と地元に帰る方法を相談し、奥さんの希望もあり看護師の付きそいのもと、療養型の病院へ転院することが決定しました。
移送車には私が同乗し、転院先へお送りしました。その際地元へ着き一緒に帰ってくることができた家族の嬉しそうな姿、表情がすごく心に残っています。終末期の最期に看護師としてどのように関わることが患者さんや家族のためになるのか考えるきっかけとなるエピソードでした。
患者さんはもちろん、患者さんと共に過ごしてきた家族の背景にも着目し、寄り添える看護師になりたいです。また、受け持ちの看護師だけでなくチーム、多職種で関わり、より質の高い看護を提供できる看護師になりたいです。