薬剤部 薬剤師 Dさん(配属11年目)
新卒で保険薬局に就職しましたが、検査データやカルテを参照できない中で、治療の全体像を把握することがとても難しいということを痛感しました。私はどのような仕事をしたいんだろう?と改めて考えたときに、より臨床的な知識を身に付け、チーム医療にかかわりたいという意識が強くなりました。
病院への転職活動を開始し、いろいろな病院を見学する中で、当院では20年以上前から病棟に薬剤師が常駐していることを知りました。実際に見学してみて、チーム医療で薬剤師が活躍しており、これこそ私が目指す姿だと思い、入職を希望しました。
医師、看護師、薬剤師、検査技師等で構成する感染制御チーム(ICT)、抗菌薬適正使用支援チーム(AST)に所属し、薬学的知識を院内感染対策、抗菌薬適正使用に活かしています。
ASTは薬剤耐性(AMR)対策を担うチームであり、業務の中心である感染症治療の早期モニタリングを薬剤師が担っています。介入が必要と判断した症例については、治療方針や薬剤選択についてチームでカンファレンスを行い、その結果を医師や病棟薬剤師にフィードバックします。当院は20年以上前から病棟に薬剤師が常駐していることから、医師から病棟薬剤師への信頼が厚く、薬剤師を介することでチームと実際の感染症治療が密に連携できていると感じます。
抗菌薬適正使用支援チーム(AST)の薬剤師としては、刻一刻と変化する患者さんの病態を迅速に把握し、介入のタイミングを逃さない瞬発力が必要となります。モニタリングは地道で膨大な業務ですが、それを積み重ねた結果、チームの働きで感染症治療が奏功したり、抗菌薬による副作用を回避できたりする症例があると大きなやりがいを感じます。また、そのような症例を積むうちに、病棟薬剤師や医師との信頼関係を築くことができ、チームへの相談機会が増えており、相乗的に良い結果につながっていると考えています。